HONDA PREMIER HAIR INTERNATIONAL
本田誠一先生
かつて、理美容師の多くは自分でハサミを砥いでいたって知っていますか?もちろん、その道の職人ではないから、キレイに仕上がらないことも多かったです。私はそれなりにうまくやっていて、砥いだり、金づちでたたいて曲げてみたり、効率の良い仕事のためにカスタムしていたんです。刃物自体がとても好きなので、凝っていましたね。
ところが、やっぱり素人ではメンテナンスやカスタムにも限界があります。そこで、今度はカスタムの必要がない、自分に合うシザーズを使おうと、色々なものを試しましたが、どれもしっくりこない。もうハサミの善し悪しは考えず、足りない部分はカット技術でカバーするしかない、と、今度は新しい技法の開発に心血を注ぎました。15年くらい前のことですね。
そんなある日、うちの当時の店長が、トギノンのハサミに変えたんです。そして「すごくいい。一度使ってみるべきです」と。最初はまったく興味が湧かなかったんですが、熱心な説得にある日、根負けし、(トギノン社長の)末次令佳氏に会い、試し切りをさせてもらうことにしました。そして、何気なくハサミを手にとってみると、手への収まりの良さに驚き、ウイッグを切ってみると、まるで髪など無いかのように、サクサクと刃が進んで行くんです。これはすごい、と、いっぺんに気に入りました。
トギノンのシザーズで最初に目にとまるのは、バランスのとれたフォルム。そして、触点部にある「オイルレスシート」です。見たこともなかった仕掛けでしたが、使ってみてびっくり。音もなく、硬すぎず、ゆるすぎず、スムーズなシザーズの開閉をアシストしてくれるんです。オイルを差さなくていいのも楽でした。そして、シート裏に髪の直径よりも薄いというプレートを自由に仕込んで、自分好みの使用感にカスタムできるのがうれしい点です。それ以外の部分でも、握った感覚から、刃のカーブ具合、音が出るか出ないかまで、さまざまな箇所に、パーソナルな好みをたくさん反映できる。そのカスタマイズ性が受けて、今、うちのサロンでは、ほぼ全員がトギノンのシザーズを使っています。
なによりも大事なポイントは、他の追随をゆるさない「切れ味」。よく切れるということは、力ずくでカットしなくてよい分、髪に負担をかけません。そして、思いのままに刃を進めることができる。まさに、手の延長、身体の一部です。
美容師もお客さまも満足させる、職人が職人のためにつくったシザーズ。一生付き合っていきたいですね。